相続相談室
相続のながれ
相続手続と言っても、具体的に何をすればいいのでしょうか。 相続手続のメインである遺産分割協議等の他にすべきこととして、下記のようなものがあります。
時期 |
するべきこと |
被相続人の死亡日から1週間以内 |
死亡届の提出(戸籍法86条) |
被相続人の死亡日から3ヶ月以内 |
相続の限定承認・放棄の決定(民法915条) |
被相続人の死亡日から4ヶ月以内 |
被相続人の所得税の準確定申告(所得税法124条) |
被相続人の死亡日から10ヶ月以内 |
相続税の申告と納付(相続税法27条) |
※被相続人とは相続をされる側、つまり死亡した者のことです。
では、上記の内容を具体的に見てみましょう。
死亡届の提出
まず、管轄の市区町村へ被相続人の死亡届を出しましょう。逝去の事実は行政側が調べるものではなく、遺族の届出によるものですので忘れないようにしましょう。
この届出の後、役所から火葬許可証を発行してもらい、火葬を執り行うことになります。
相続の承認・放棄の決定
遺産の全体像を見極めたら、その遺産の相続を承認するのか放棄するのかを決定しなければなりません。
「相続の放棄」と言っても聞き慣れないかもしれませんが、例えば被相続人が多額の借金を負ったまま逝ってしまった場合、その借金も“相続財産”として扱われるのです。
放っておいたら、相続人が自動的にその借金を負って(相続して)しまう羽目になってしまいます。
ですので、この意思決定は非常に重要なものとなります。
所得税の準確定申告
確定申告をすべき人が死亡した場合、その年の1月1日から死亡日までの所得を被相続人の住所地の税務署へ申告する必要があります。
所得税の申告が必要な方は下記のとおりです
(1) 事業所得や不動産所得などがある方の場合
各種の所得金額の合計額から基礎控除その他の所得控除を差し引き、その金額に基づいて計算した税額から配当控除額と定率減税額を差し引いて残額のある方は、申告をしなければなりません。
(2) 給与所得がある方の場合
給与所得者の大部分の方は「年末調整」により所得税が精算されるので申告をする必要はありませんが、各種の所得金額の合計額から基礎控除その他の所得控除を差し引き、その金額に基づいて計算した税額から配当控除額と年末調整の際に控除を受けた住宅借入金(取得)等特別控除額、定率減税額を差し引いて残額のある方で、次のいずれかに当てはまる方は、申告をしなければなりません。
給与の年間収入金額が2,000万円を超える方
給与を1か所から受けていて、給与所得や退職所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円を超える方
給与を2か所以上から受けていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と給与所得や退職所得以外の各種の所得金額との合計額が20万円を超える方
同族会社の役員やその親族などで、その同族会社から給与のほかに、貸付金の利子、店舗・工場などの賃貸料、機械・器具の使用料などの支払いを受けた方
災害減免法により源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた方
在日の外国公館に勤務する方や家事使用人の方などで、給与の支払いを受ける際に所得税を源泉徴収されないことになっている方
(3) 公的年金等に係る雑所得がある方の場合
公的年金等に係る雑所得以外に申告をする必要のある所得がない方で、公的年金等に係る雑所得の金額から基礎控除その他の所得控除を差し引き、その金額に基づいて計算した税額から定率減税額を差し引いて残額のある方は、申告をしなければなりません。
なお、公的年金等に係る雑所得以外に申告をする必要のある所得がある方は、前記(1)又は(2)を参照してください。
(4) 退職所得がある方の場合
退職所得については、一般的には申告をする必要はありませんが、退職金の支払いを受ける際に、「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかったため、20%の税率で源泉徴収がされた方で、その源泉徴収税額が正規の税額よりも少ない方などは、申告をしなければなりません。
また、退職所得を申告しなくてよい方でも、それ以外の所得について前記の(1)、(2)又は(3)に当てはまる方は、それ以外の所得については申告をしなければなりません。
相続税の申告と納付
相続税は、相続や遺贈によって取得した財産及び相続時精算課税の適用を受けた財産の価額の合計額(債務などの金額を控除し、相続開始前3年以内の贈与財産の価額を加算します。)が基礎控除額を超える場合にその超える部分(課税遺産総額)に対して、課税されます。
相続税の納税が必要な場合は、被相続人の死後10ヶ月以内に行わなければなりません。
ただ、相続税には基礎控除があり、相続財産が「5000万円+1000万円×法定相続人の数」を超えない場合、相続税は課税されません。
相続手続きをする上で、9割以上のケースでは相続税は発生しません。
※相続人に養子がいる場合は、法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人までとなります。

